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2023.09.06
ここがスゴイ!スワコーの光學フィルム
代表取締役 池上 和明(いけがみ かずあき)
スワコーの光學フィルム
車載表示部などの大型化に対応した國內最新設備を導入
2023年現在、當社で行っている光學フィルム加工は、500×500㎜以下の小型~中型がメイン。しかし今後は、カーナビの車載表示部など、ディスプレイの大型化が見込まれます。一般的に、サイズが大きくなるほど、寸法公差(基準寸法に対して許容できる範囲)內で仕上げるのが難しくなります。スワコーでは、それを見越して、大型の光學フィルムに対応するための設備を導入しました。
それこそが、最大500×1500㎜まで加工できる切削加工機です。特徴は、従來のプレス加工よりも寸法精度が高く、切斷箇所の品位も非常に良いこと。機械メーカーの裝置に當社獨自の技術を搭載した、唯一無二の加工機です。まだ國內では珍しい機械で、當社でも導入して間もないため、現在、加工ノウハウを蓄積しているところです。
求められる品質
寸法?外観両面で厳格な品質保証に対応
光學フィルムの外形加工は、年々外観要求品質が厳しくなってきています。特に、クラック(亀裂)、ダレによる白化、糊かけによるギラつきは許されません。當社では、大型部品にも対応した測定器や、綺麗に仕上がる切削加工機を導入し、寸法?外観両面の品質保証に取り組んでいます。
プレス加工?切削加工?レーザー加工の違い
當社では、フィルム基材、コーティングの種類別に、以下の3つの中から最適な加工方法を選択しています。
プレス打抜き加工
型を使用して、プレス機で打抜きをする加工方法です。刃がフィルムに圧力を加えることで、フィルムが変形し、ハードコート層にクラックが発生したり、可塑性変形の部分がダレとなり白化したりします。(フィルム基材によっては、フィルム厚み內にクラックが発生)
また、粘著層にも圧力が加わり、粘著剤の変形や、製品外側のカス取り時に粘著剤の欠けが発生します。
切削加工
エンドミルにより、材料を切削して加工をする方法です。材料にかかる圧力はプレスよりも少なく、変形が生じにくいのが特徴です。そのため、フィルムの白化や糊変形?糊欠けも発生しづらく、外観不良の抑制につながります。
通常、切削加工は削りカスが発生しますが、當社では専用のカス除去方法を確立しており、製品へ付著したカス(異物)の除去が可能です。
レーザー加工
レーザー光でフィルムを溶かして異形狀に加工をします。材料に圧力はかかりません。溶けたフィルム(ヒューム)が切斷面付近に殘りますが、クラックや糊かけが発生しにくいのが特徴です。